天外IIでは、パーティメンバーはシナリオの進行状況に応じて常に固定されています。 道具欄や巻物欄なども、固定であることを前提に、完全に無駄なくデザインされています。 この事から、ひょっとすると「現在2人目はカブキ」「現在3人目は極楽」といった管理方式ではなく、 「現在カブキが存在するか」「現在極楽が存在するか」といったフラグだけで管理されている可能性があります。 その辺がちょっと気になったので、調べてみました。 結果は……ちょっと予想外な感じに。
「わしの足を止めたいんなら、富士山でも持ってこんかぁ!」の布陣
天外魔境真伝より、「あなただけが頼りよ、シロ」の布陣
「我らが道に敵なし!」 赤影の布陣
まず、パーティメンバーとして存在するのは、 卍丸、カブキ、極楽、絹、シロ、子分A、子分B、子分C、ペロ、ホテイ丸の9人+1匹。 この内戦闘に参加するのは、4人の火の勇者とNPCのシロのみです。 メンバーの定員は5名で、火の勇者/その他に関わらず任意に構成することができます。 ただし、火の勇者不在のパーティを構成することはできません。 同一メンバーの重複加入も一応可能です。 …とは言うものの、それらは歩行中での話です。 メニュー画面や戦闘中ではまた違った管理をしているらしく、話が変わってきます。 各布陣の2枚目の写真を見てもらえれば分かりますが、 歩行中の隊列に関わらず、メニュー画面での順序は固定されています。 また、同一メンバーを複数加入させても、歩行中以外は一人とみなされます。 戦闘時も同様で、全体攻撃などはいつも通りの順番で処理されていきます。 要するに、歩行中は「現在n人目は○○」方式であるものの、 その他の場面においては「現在○○が存在するか」で管理されているということですね。 他のRPGでどんな管理をしているかはよく知らないのですが、 何となくこういうのは珍しいんじゃないかなーと思った次第です。 パラメータを持つキャラと持たないキャラを混在させるための工夫なのかもしれません。 ちなみに、卍丸不在のパーティでは、強制敗走になります。 これは、戦闘において“不在”と“瀕死”が同じものとして判定されている為です。 本作では、“ユーザー=卍丸”の姿勢を徹底していますから、卍丸が動けなければ話は進まず、 卍丸がいなければ何も始まらないのは当然のことといえます。 想定外の動作とはいえ、システムとシナリオが融和していて感心してしまいました。 当時は“主人公が死んだだけで敗走”という珍しい仕様に「なんで?」と思ったのですが、 一人称RPGなんだから、考えてみれば当たり前のことなんですよね。 ユーザー不在のままゲームが勝手に走るなんて、そんな馬鹿馬鹿しい話はありません。
あらゆる意味で、一人で戦えるのは卍丸だけ